
黒田 久一
惣菜のわかるオヤジのブログでは、フルックスグループ代表の黒田久一が、日々の出来事を発信いたします。
2010.11.09
昨晩は、煙台(えんたい)に泊まりました。
ここは金海湾を前に絶景のビューポイントのホテルでした。
煙台に泊まったのは、中国の航空会社のMU便が、青島(チンタオ)から関空へ、毎日飛んでない為、煙台から帰国します。
早朝のホテル周辺を歩いてみると、素晴らしい風景でした。
この海の先は、日本です。
さて、昨日一日だけで、600km近く走行し、今回の旅は、2500km近く走行しました。
江蘇省と安徽省と山東省の3省を回りました。
中国は、広い!
そして、いろんな事を肌で感じ、たくさんの人脈も出来ました。
真ん中の小太りの男性は、台湾人の揚さんです。
向かって、その右隣りが弊社専務。
揚さんの左隣りが私、そして左端が弊社HMR事業部長。
右端は、山東省の来陽(ライヨウ)の冷凍野菜工場の総経理です。
台湾人の揚さんは、以前は台湾で凍菜工場を経営していましたが、コストメリットがなくなり、今は、中国で3工場を経営しています。
また生コン会社や包装資材会社やら、はたまた中南米のガテマラで、北京ダックを飼育したりと…。
まさしくグローバルなおっさん(私より一歳年下)(笑)です。
揚さんとは、インドネシアでのサツマイモの可能性を視察しに一緒に現地まで行った事があります。
また揚さんの地元、台湾の高雄にもお邪魔した事があります。
9月には、弊社にも来て頂きました。
彼は、グローバルに生きる(生き抜く)、典型的な華僑なので、いろんなモノの見方が大変勉強になります。
今回頼み事を言われました。
日本の大学に留学しているご長男を弊社工場で2週間程度、預かって欲しいと。
私もすかさず(笑)、私の長男や次男を台湾か、中国で預かって欲しいと。
さて昨晩は、最終日だったので、みんな、ガンガンに飲んでました。
7人でワインを13本ほど空けた!
コイツら、恐ろしい連中です(笑)。
弊社専務と部長は、越酩酊状態となり(ほぼ失神状態)(笑)、私は、ホテルに到着するや、各部屋に奴らを掘り込むのに大変でした。
靴下は脱げるわ、メガネは落とすわ、パスポートは、どっか行くわ…(笑)。
黒田久一
2010.11.09
今日で、今回の出張が終わりました。
先程、無事に帰国致しました。
今回、7泊8日の旅程で、走行距離は、軽く2,500kmを越えました。
弊社取引先を中心に、訪問企業数は9社でした。
私は、久々に取引先企業を回りを兼ねて、中国での現地状況を自分の目で確認が出来ました。
今回の出張では、本当にいろんな事を感じました。
当然、よりチャイナリスクも感じ、一方、まだまだ中国での入り込み(お取り組み)の足らなさも感じ、日本国内での産地開発の重要性も感じ、世界的な原料高騰が確実である事も感じ…と。
中国との取引(取組み)では、常に“心配”が付き物です。
まさしく
“商売とは、心配の上に成り立つもの”
と感じざるを得ません。
私の尊敬する経営者で、大連に食品工場を建て進出されておられる方がいらっしゃいます。
かれこれ20年。
中国での人脈も豊富で、多くの優秀な社員たちは、中国語も堪能です。
私から見れば、中国での磐石な基盤があるように思います。
しかしながら、その社長は「この20年間、中国ビジネスで、一度たりとも枕を高くして、寝れた事はない。いつもいつも心配だ」と。
まさしく、これが中国とかかわりを持ってきた食品業界の微妙な心情を表しています。
日本の労働集約な産業の象徴である食品業界は、この数十年、手間のかかる作業のアウトソーシングの大半を中国に依存して来ました。
弊社もその一社です。
弊社のHMR工場は、現在約250名のパートさんで支えられていますが、仮に全て内製化すると、さらに150名ほど必要ではないかと思います。
まさしく「労働集約的な仕事」です。
中国のメリットは、その労働力だけでなく、広大な大地での大規模農業、今や、日本よりはるかに生産設備が充実している冷凍工場群。
今回あらためて、いろんな面での中国の強さを再認識もしました。
しかしながら
「矛盾のかたまり」
もあります。
もし何もかも突然にして断絶したら、原料が暴騰したら…。
でも日本の農業が、その機能が果たせるのか、中国でさえ、農作業を嫌がり、水を使う仕事も敬遠されている現実…。
またFTAの問題などなど。
これらの解答は、二次方程式どころの話ではなく、複雑にからみあっての判断が必要となります。
私は、これからも総合的な判断をしながら、前進して行きたいと思います。
タイトルにありますように
「商売とは:」
の名言は、創業者である父の言葉ですが、
もう一つの言葉も私に常に話かけてくれた言葉があります。
「世の中に解決しない問題はない。どんな困難な事も時が経てば、いつか何とかなっているものだ」と。
今年は、こんな年だからこそ、例年以上に、私は、海外も国内も問わず、出て、出て、出まくりました。
トップ自らが、外に出て“自ら”肌で感じ、次に進むべき道を模索して来ました。
いよいよ年末商戦が始まります。
全社一丸、頑張りたいと思います。
今回、弊社専務や営業部長と共に“共通目線”で、いろんなところを回れた事は、大変意義深かったと思います。
黒田久一
PS.
上の写真は、グローバルな生姜屋さんの応接室にあった世界地図です。
真ん中は、私が好きな江蘇省の蓮根産地近辺ののどかな水路の写真です。
一番下は、山東省の夕暮れです。
2010.11.08
山東省の安丘市にある生姜屋さんに行って参りました。
年間2万トンも扱っているそうです。
その内40%は、日本向けです。
メインは、ヨーロッパや北米に輸出しています。
生鮮出荷が60%で、冷凍出荷が40%です。
ヨーロッパやアメリカの食品スーパーで、最近、中国産の生姜をちょくちょく見掛けました。
こちらの農場の巨大なムロ(地下の貯蔵設備)を見せてもらいました。
レンガ積みの地下貯蔵庫には1600トンも生姜を貯蔵できる設備がありました。
私は、これだけの生姜のムロを見たのは、初めてでした。
中国の生姜の品種には、
大姜(ダイジャン)
面姜(メンジャン)
があるようで、以前は大姜が主力だったようですが、反収の高い面姜(メンジャン)に変わって来ているようです。
こちらは大玉傾向の生姜です。
さて、こちらの生姜屋さんで驚いた事は、会社案内にテスコが書いてありました。
イギリスのテスコにも生姜を出荷しているようです。
その事に触れると、
「イギリスの大手小売業は、テスコ、アズダ、セインズベリーがある」と教えてくれました。
私は、たまたま、先日、イギリスに行ったばかりだったので、その事は知っていましたが、中国の農業経営者は、世界的な視点で、農業をやっているのだと、改めて感じました。
会議室には、世界地図がありました。
日本の農業経営者で、グローバル視点に立った方は、まだまだ少ないです。
こちらは、まさしく“グローバル・ジンジャー・ファーマー”だと思います。
黒田久一