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「ホンダ・イノベーション魂~本質的熟慮のススメ」小林三郎③

2014.09.11

「ホンダ・イノベーション魂~本質的熟慮のススメ」小林三郎③

ホンダの哲学『コンセプト志向』

「鬼の久米 魔の40分」

久米社長はプロジェクトリーダーが報告すると、40分ぐらい黙って考えている。その後厳しい質問攻めになる。ホンダでは40分立ち続けて待っていなければならない。何より必要なのはまず体力。体力、気力が大切で能力は8番目ぐらい。
そしてキー要素は何か?と質問する。大切なことを3つでも、10個は言わせるように鍛える。そしてその中で一番大切な3つを答えさせる。40歳過ぎの上司はこの本質的な質問ができること。本質の捉え方が分かっていないような人はマネジメントはできない。
若い奴に期待しろ、期待し続ければ必ず期待以上の成果を出す。
本質・コンセプトを考え続ける!!!アホでも考え続ければ、絶対に賢くなれる。
5代目シビックのコンセプトは「サンバ」。プロジェクトリーダーは7代目社長になった伊藤さん、イトヤン。コンセプト「サンバ」の意味は良くわかんないだけど、ブラジルでサンバを体験してワイガヤで作ったコンセプトは、匂いを発するようになる。
お客様は、匂い=違いを敏感に嗅ぎ取る。2代目プレリュードは運転手席側で簡単に助手席を倒せた。助手席に乗る女性をスムーズに倒せるナンパ車。いいじゃないか、若い二人が乗る車なんだから。
プロジェクトリーダー全員が言うことは、「良いコンセプトができたら、必ず良い商品・技術ができる」「人生の中であんなにもの事の本質を考えたことは無い」
コンセプトとは何か? ユニークな視点で捉えたモノごとの本質。
価値コンセプトとは?お客様の価値観に基づき、ユニークな視点で捉えたモノ事の本質。
ホンダ式・コンセプトによる革新

『ワイガヤ』でグループによるイノベーション=普通の人6~7人で天才一人(本田宗一郎)と戦う。

藤沢副社長が作ったと言われているが、藤沢さんは毎日午前中自宅の茶室に篭って中国古典を読んでいた。
世の中のことは中国4000年の歴史に学べばすべて分かると言っていた。
本田宗一郎に代わる者は居ない。

『ワイガヤ』
①平等議論(喧嘩も厭わず)
②青臭い本質議論
③3日3晩の討議
④新コンセプト創り 
本質を考えさせる。
モノを考えるぐらい、人間を賢くさせるものは無い。40回やってやっと黒帯。

どうやって挑戦・独創・革新の文化、大革命を起こすか? 感受性を豊かに。

①現場を見る:高質な原体験。読んだり・聞いたりよりも。
なぜ巣鴨におばあちゃんは行くのか?
なぜおばあちゃんの原宿「巣鴨」はあるのに、おじいちゃんの原宿は無いのか?考えた事があるか。

②ワイガヤ:異質な人との本質議論 ⇒未来価値

③試す・やってみる:失敗を恐れずやり続ける

失敗せずに革新するというのは無知な妄想。失敗させると人が育つ。
今の企業は失敗させないことばかり考える。すぐにマニュアルを作る。オペレーションはマニュアルが必要だが、イノベーションには不要。
宗一郎は「若い奴には俺たちと同じ失敗をどんどんさせろ」と言った。

若いうちから本質を考え抜くというワイガヤを自社なりに作っていく。ホンダは今、オペレーション上がりの役員ばかりで、ワイガヤをやらなくなった。
技術系が社長になると言われているが、R&DのResearch & DevelopmentのDevelopment開発上がりの人ばかりだから駄目だ。

GEのジャック・ウェルチがもてはやし過ぎている頃、MBAの先生は同じように「選択と集中」ばかり言った。確かに当時のGEはいろいろやりすぎだったので集中は必要だったが、いろいろなことをやらない限りイノベーションは起こらない。

巣鴨へ行って、自分が見つけたものを写真を撮ってみる。何がおばあちゃんを集めているのか?ときわ食堂「煮かつ丼」「名物ポテトサラダ」、赤いパンツの店はなぜ繁盛しているのか。論理だけでぐちゃぐちゃ言ってる奴はイノベーションは生まれない。現場を見て、考える。

革新は、未知の領域の壁登り。オペレーションは論理で登れる。
イノベーションは壁のグリップが無いと登れない。コンセプト(Concept)=手掛かり」(Grip)。

「自立・自我Self-reliant」「人間の心Psychology」「価値Value」「技術Technology」「商品Products」の切り口で考え抜く。「人生の目的」「愛とは?」

「絆」「サンバ!」などを考えながらを手掛かりを作っていく。

シチズンでワイガヤをやった。「7月1日って何の日だ?」知っていたのは、一人だけ。
富士山山開き。「ではその日に登った人の人数は?昨年よりどれだけ多いか?」
これもその一人だけが知っていた。
前年の2倍になっていた。
富士山が世界遺産になったからだ。
「富士山が世界遺産になる」という機会を捉えて何を考えたのか?
「高齢者・登山者用デバイス」。精密時計を作っているメーカーは血圧や脈拍を測る機械も作っている。
それなら富士山登山用の高齢者用時計を作ったらどうか?
時計の中に血圧と脈拍を測る機能を入れたらどうだ?
2ヶ月もあれば試作品を作れるだろう?と聞くと3週間で作れますとのこと。
常に血圧と脈拍を測り、危険数値になるとアラームや光が点滅する。
そうしたら今年の登頂は諦める。
その代わり「次回は頑張ろう」みたいなメッセージが出る。
GPS機能を持てば、正確な高度も分かるので、高度別に血圧・脈拍の推移も記録できる。頂上に着いたら、花火が出る。さすがにそれは無理でも花火のような絵を液晶画面に出したり、花火の音を出したりして祝福する。
年寄りは褒められるのは大好きだ。登頂したらその時計から五合目の店に通信。

○年○月○日○時○分▲▲ウォッチをつけて登頂2人目記録。

認定証を発行して下山のときに貰えるとか、記録がそこに置かれ、5合目のその店に行けば、名前が記録されているのが見られる。

年寄りは名前が残る事が大好き。翌年も楽しみに見る。
なくなった後も残されたお婆さんが楽しみに見る。・・・・そんな風に考えていけるのではないか。
それなら東京オリンピックでは?東京スカイツリーでは?阿倍野ハルカスでは?チャンスはいっぱいある。

9割の人は目先に利益を考えるオペレーション。でも1割の人はイノベーションを考えていないと未来は無い。

若者:どんどんアイデアを出す

→MG:若い人に本質を問い、
①答え型
②目を見てダイヤを見つけ出す

→役員:若い奴が目を輝かせ訳の分からないことを3回言ってきたら騙されてやる

『個人の生産性=能力×やる気の二乗』
 能力の差はせいぜい1.3倍~1.5倍。
やる気は2倍、3倍の人がいる。
やる気が2倍なら、生産性は4倍。
3倍なら9倍になる。
大きく期待し、自ら熟慮させ、厳しく育てる!「世界一か?」「価値は何だ?」
「バカヤロー」

若者叱咤激励:
①高い要求(世界一か?)
②技術困難はチャンス!と捉える
③若者価値(ポテンシャル)は500億円
④失敗を責めない(一度目はOK)
⑤どんどん失敗させる(失敗から学ぶ)
⑥無限大の将来可能性に期待リスクの取らないリーダーは「大丈夫か、大丈夫か」「他社はどうなってる?」「市場データは?」そんなことばかり聞く。リーダーの器ではない。
私は16年も成功しなかった。引退してから久米社長に聞いた。
「16年間もずっとエアバッグをやらせ続けてくれたけど、本当にできると思いましたか?」
「あんたが安全が大事だと言うから、やってもらったんだよ。できるかどうかなんて分からん。でも安全は絶対に大切なんだ」

管理し過ぎない!

MBAを疑え!

マニュアル化すると、自ら熟慮せず、人が育たない。

「見える」化すると、感性が育たず、創造性・革新性が喪失する。

イノベーションを起こすためにもっとも大切なものをひとつだけ教えてください。 

=「想い」。

英訳はmindでは弱い。
Spiritual Beliefと訳した。

志ある信念。

黒田久一

「ホンダ・イノベーション魂~本質的熟慮のススメ」小林三郎①

2014.09.11

下記、私の友人が、先日、講演会に行き、その時の講演録です。

講演会は、ホンダで、その後、世界標準となるエアバッグを開発した小林三郎氏の話です。

友人曰く、久々に、心沸き立つ講演会だったと。

私も一読し、素晴らしい内容なので、当ブログでアップさせて頂きます。

長文なので、3分割して、アップします。

友人の講演録は、私自身が、講演会に行くより、臨場感があり、きちんと整理してくれています。

ある意味、天才的です。

「ホンダ・イノベーション魂~本質的熟慮のススメ」小林三郎①

戦後みんなで頑張ってきて作ってきた日本の経済は、今何も新しいものを生み出せない駄目な企業ばかりになっている。世界第2位の経済大国だったのが、このままでは8位ぐらいまで落ちそうだ。世界で勝てる技術で外貨を稼げない限り、日本はどんどん駄目になっていく。

最近の日本企業はずっと「コストダウン」と「効率化」だけしかやってない。新しいこととモノを生み出さない国は必ず滅びる。最近のソニーは何も新しいものがでて来ない。私の居たホンダも駄目。
母校の早稲田大学の大学院で安全管理について話す講座がある。事故調査から始まり、いろいろなアイデアを出すように講義を進めるが、早稲田の大学院生でも、誰もまともなアイデアは出て来ない。

価値は何か?! 価値訴求。コンセプトを追求する。

先生と呼ぶな!
ホンダでは先生と呼ばれたら三流。小林さんとさん付けで呼ばれて二流。
サブちゃんと呼ばれて一流。本田宗一郎は「親父さん」。
上下関係があるような組織ではイノベーションは起きない。社長は最後に誰かが決めざるを得ない決断が必要な時のために居るだけ。 

最近の日本の企業ではイノベーションはまったく起きない。
イノベーション部なんて作ったってイノベーションは起きない。
一橋大学MBAで教えている連中だって、経営したことのある奴は一人も居ない。MIT、ハーバードで経営学を学んで学位を取ってきただけの奴らに何が分かるか!!

今若い者たちに教えるべきことは、新しいことをどうやるか!今の経営者は、挑戦していない。リスクをとらないから駄目だ。

ホンダは1948年浜松で創業。浜松には「やらまいか」というチャレンジ文化があった。中卒の宗一郎はやんちゃな優秀でもないアホばかりの社員しかいないのに、「世界一になるぞ!」と叫んでいた。
当時、優秀な学生はヤマハとかに行ってホンダには来なかった。

私は1971年に本田技術研究所に入社した。
優秀そうな奴が白衣で静かに研究している所かと思ったが、汚い格好で、部品持って走り回っていた。アホばかりで、金なし、設備なしのひどい会社だった。
それがリーマンの前には売上12兆円までになった。なぜか?理念・哲学があったからだ。

「理念・哲学なき行動(技術)は凶器であり、行動(技術)なき理念は無価値である(本田宗一郎)」

年配のそれなりの仕事をしてきた人は、哲学を持っているつもりだろうけど、それは本当に自分自身のものか?高質な原体験をしていないと、哲学は身につかない。高質な原体験を意識してするためには、「一流の、モノを見ろ!人と話をしろ!モノを食え!」。

一流のモノを見るために、能を見に行った。まるで分からなくて居眠りしちゃったが…。能楽堂に能を見に行くと、そこにいる人種は普通の人たちとはまるで違う。京都で1,000年以上続く一流に触れる。二流の人と付き合ってはいけない。普段は回転寿司でも、一年に一回ぐらい銀座の久兵衛や次郎で食べてみる。ひとり4~5万かかるが…。何でそんな高いのか?価値があるから。
企業は価値を生み出すのが仕事。価値を理解するため一流のものを知らなくてはならない。親父(宗一郎)はよく一流の酒を飲めと言った。一流の銀座高級クラブ。1年に1回久米社長に連れて行かれた。店の看板が無い。マンションの一室みたいなところだった。ママは顔を見た途端、「久米さん、小林さん、いらっしゃいませ。」接待役の人の名前は呼ばない。店に入ると、ママは接待役とは話さない。誰がお客かをわきまえている。1年前に来たときの話題を覚えていて、その話題を出してくれる。40分でコーラ2杯飲んで一人10万円。3人で30万円。別の普通のクラブへ行った。「いらっしゃい」と名前を呼ぶのは金を払う接待役。ソニーのウォークマンは、井深大が飛行機の中で良い音で音楽を聴きたいという言葉から始まった。録音機能を外して、HI- FI部品を組み込んで開発した。全役員が反対したが、盛田さんが、やってみろと決断して発売。
これでソニーの売上は20倍になった。ジョブズのi-podはそれをIT化しただけ。
ウォークマンの開発のほうが凄い。
 ホンダのエアバッグも久米社長以外全員反対した。誰も欲しないと言われたが、今ではすべての車に装備されている。交通事故での死亡率が半分以下になった。「たまごっち」もバンダイの役員が全員反対した。世界中で売れて300億円儲かった。ところが工場に大投資した途端売れなくなって、300億円損をした。上役が反対したものの方が当るとデカイ!役員などエキスパートはほとんど馬鹿だ。
「今起きていることは若い人にしか分からない。年寄りは、過去の経験・知識が邪魔をして正面から受け取れない(宗一郎)」10人中9人が賛成したら遅すぎる!
役員大反対の中でどうしたら若者の意見を通す事ができるのか?熱意か、駄目駄目!!
社長や役員を前にして、ガンと机を叩くしかない。机を叩いて、左遷されるような会社ではイノベーションは起きない。ホンダの技術研究所は最初40歳定年だった。その後は工場や本社でイノベーション・マネジメントをやるのが仕事になる。

ガリガリ記憶ばかりして優秀な大学を出た奴にはイノベーションはできない。勉強せずに東大に入れた奴なら話は別だが。そういう記憶だけ得意の優秀大学出の奴が昇進して、現場に来て下を見下すような会社は、下の連中がやる気が無くなる。

勝間和代なんて、どんなイノベーションができたのか?何もないくせに、イノベーションはこうするとか何とか言っている。バカヤロー!

「イノベーションの本質」なんて本は絶対買うな!優秀な大学の「イノベーション講座」や「ベンチャー○○」なんてたくさんあるが、そこからイノベーションが生まれた話は聞いたことはない。今まで凄いイノベーションの出来る人だと思ったのは2人だけ。NTTi-modeの開発した榎さん。花王の社長やった常盤さんだけ。

Innovation Management 革新・創造マネジメント。
仕事には2つのタイプがある。(2 types of Business)

①Operation 執行 (~95%):時間と成果は比例する。

②Innovation革新・創造(5%): 

成果主義を入れている企業は駄目。上役と部下が目標を決めて、それができたかどうかでボーナスが決まるなんて駄目。オペレーションには入れてもいいが、研究所や開発には成果主義は馴染まない。
経費削減なんて考えるのは課長以下。社長や役員が経費削減の旗を振っていては駄目。それで削減した金額を、みんなで飲んで元気になったほうが会社は良くなる。
Operationで困ったらじいさんに聞け!Operationは論理的に正解を追及する。経営学が役立つ。エキスパートが熟知、判断が可能。
改善の先に革新は無い。イノベーションは改善とはまるで違うもの。経営学は害になる。イノベーションは論理からは生まれない。アートに似ている。40歳以上のエキスパートにはもう分からない。40歳未満には経験が無いが1~2割のダイヤがある。でも8~9割はクズ。
その1~2割が出てきたときに、年寄りは駄目な理由をすぐに100ぐらい挙げて潰してしまう。でもその駄目な理由を反対に何とかできないかと若い奴に投げ返す。若い奴はそれがどれだけ大変か分からないので一生懸命やる。そしてもしそれがクリアできると凄いイノベーションになる。
年寄りになったら普通はリスクをとらない。イノベーションができるのはリスクを取れる人だけ。年寄りになってもできるのは、本田宗一郎、ユニクロの柳井、スティーブ・ジョブズぐらいで、本当にヘンな奴ばかり。
ホンダに私が入ったとき、社員の平均年齢は29.8歳。今の日本の企業は平凡なリーダー、優秀大学の社員、年寄りだらけで、イノベーションは絶対に起きない。ホンダで使えた初代、二代、三代目までの社長は凄かった。その後の4代、5代、6代目の社長は超優秀な大学卒で凄い頭の良いアホだった。
ルールの多い会社は駄目。ルールは1%の悪い奴のために作られる。そんなの必要ない。役員がヒマだと、1%の悪い奴のことを気にして、無駄なルールを作る。
老いては子に従え!「若さとは年齢ではなく…」の詩を喜んで読むようなのはみんな年寄り。年寄りはイノベーションできないという自覚が必要。
40歳を超えた、分別のある人は、自分でイノベーションをやろうとせずに、若い人に本質を問う。そして①答え型②目を見て 判断する。内容では判断しない。内容なんでどうせ理解できない。型とは?本質、コンセプト。型が良いとイノベーションは高成功率になる。若い奴にHowは聞くな!Whatとwhyを聞け!ユニクロの柳井社長は東レとヒートテックで大成功したが、その前に失敗ばかりしている。書いた本が「1勝9敗」。大体成功は1割で合っている。
イノベーションとは世の中を変えたかどうか?ウォークマン、エアバッグは変えた。
I-pod、i-phone、i-padも変えた。ジョブズは10年で3つも世の中を変えるものを生み出した。

青葉仁(あおはに)会②モンベル

2014.09.10

本日、一番最初に訪問したのが、水間ワークスでした。

カフェもあり、中では、製菓事業もされています。

そして驚いたことに、モンベルのショップが併設されていました。

http://www.montbell.jp/

こちら水間ワークスの立地は、奈良市とは言え、かなりの山奥です。

コンビニもないような立地です。

そこにモンベルとは…。

ご存知のように、モンベルは、アウトドア関係のグッズとしては、日本を代表するメーカーです。

榊原理事長と創業者の辰野勇氏は、友人とのことでした。

ちなみに、私は、ザ・ノース・フェイス(アメリカ)のウエアが好きです。

その他、パタゴニア、コロンビア、ミレーなどなどがありますね。

モンベルが奈良の社会福祉法人とのコラボを知り、今度、じっくり、モンベルショップに行きたいなと思いました。

黒田久一

黒田 久一

黒田 久一

惣菜のわかるオヤジのブログでは、フルックスグループ代表の黒田久一が、日々の出来事を発信いたします。