
黒田 久一
惣菜のわかるオヤジのブログでは、フルックスグループ代表の黒田久一が、日々の出来事を発信いたします。
2014.08.09
ミシュラン3つ星の翌朝は、本当に久々に、吉野家の牛丼を食べました。
胃を切る前は、牛丼は、大好きで、しょっちゅう食べていましたが、胃を切ってからは、しばらくは、量的に食べられませんでしたので(今は普通)(笑)、牛丼からは、遠ざかっていました。
私が、牛丼を初めて食べたのは、確か、大学受験に失敗し、梅田の予備校に通い始めた、今から30数年前だったと記憶します。
初めて食べた吉野家の牛丼があまりにも美味しくて、大げさ抜きで「こんな上手いもんが世の中にあったのか…」とさえ思いました。
そして大学を出て、縁あって、イトーヨーカ堂グループのデニーズジャパンに入社し、私自身も外食産業に身を投じることになりました。
当時のフードサービス業界は、ようやく「外食産業」と呼ばれ始めた頃で、デニーズに入社した頃は、社内は、活況に満ちていました。
私が入社した前年にデニーズは、上場を果たしていました。
当時、とにかく「この業界を我々の手で社会的な地位を向上させたい」と言うような雰囲気がありました。
さて、私自身、年に5~6回、海外に行く機会がありますが、この10年くらいずっと感じて来たのは、「日本が、世界中で一番、食べ物が安いんじゃないか…」と。
当然、為替も変動しますし、貧しい国に行きますと、もっと食品は安いですが、その国の平均所得と食品の価格を比較したら、「日本が一番安い」と言う感覚です(あくまでも私見ですが)。
私がデニーズに入社した頃は、上司に教えられたのは「世界的にパートさんの平均時給とランチの価格は、だいたい同じだ」と教えてもらいました。
今、関東ではかなり時給が上がっているらしいですが、パートさんの全国平均の時給は、800円くらいになると思います。
それを考えても、やはり安いですね。
日本は、長らくデフレ下で、物価も所得も上がりませんでしたので、致し方なかったかもしれません。
そして牛丼戦争が勃発し、250円まで下がると、私個人としましたら、ちょっとやり過ぎじゃないか…と感じていました。
ある牛丼チェーンでは、深夜時間帯の「一人勤務(ワンオペ)」が、大問題となり、大規模な閉店に追い込まれるなど、大変、厳しい状況です。
弊社グループも、外食産業様とは、少なからず、お取引を頂戴していますので、健全な形で、業界全体が成長して頂きたいと思います。
さて、吉野家の安部社長が、とうとう退任されることになりました。
今週の東洋経済の特集記事は
「さようなら、ミスター牛丼 安部修仁と吉野家の時代」
です。
私にとりましては、憧れの経営者の一人でした。
まさしく気骨のある経営者だったと思います。
アルバイトから社長まで登り詰めた方です。
安部さんは、チェーンレストランの王道を進み続けられたと思います。
BSEなどの問題にも直面されたりし、大変、ご苦労も多かっただろうと思います。
私自身、外食産業にも在職し、また、今は、サプライヤーとして、外食産業様にも関わらせて頂いていますので、この業界が、これからもさらに成長して行って欲しいと思います。
黒田久一