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「ホンダ・イノベーション魂~本質的熟慮のススメ」小林三郎①

2014.09.11

下記、私の友人が、先日、講演会に行き、その時の講演録です。

講演会は、ホンダで、その後、世界標準となるエアバッグを開発した小林三郎氏の話です。

友人曰く、久々に、心沸き立つ講演会だったと。

私も一読し、素晴らしい内容なので、当ブログでアップさせて頂きます。

長文なので、3分割して、アップします。

友人の講演録は、私自身が、講演会に行くより、臨場感があり、きちんと整理してくれています。

ある意味、天才的です。

「ホンダ・イノベーション魂~本質的熟慮のススメ」小林三郎①

戦後みんなで頑張ってきて作ってきた日本の経済は、今何も新しいものを生み出せない駄目な企業ばかりになっている。世界第2位の経済大国だったのが、このままでは8位ぐらいまで落ちそうだ。世界で勝てる技術で外貨を稼げない限り、日本はどんどん駄目になっていく。

最近の日本企業はずっと「コストダウン」と「効率化」だけしかやってない。新しいこととモノを生み出さない国は必ず滅びる。最近のソニーは何も新しいものがでて来ない。私の居たホンダも駄目。
母校の早稲田大学の大学院で安全管理について話す講座がある。事故調査から始まり、いろいろなアイデアを出すように講義を進めるが、早稲田の大学院生でも、誰もまともなアイデアは出て来ない。

価値は何か?! 価値訴求。コンセプトを追求する。

先生と呼ぶな!
ホンダでは先生と呼ばれたら三流。小林さんとさん付けで呼ばれて二流。
サブちゃんと呼ばれて一流。本田宗一郎は「親父さん」。
上下関係があるような組織ではイノベーションは起きない。社長は最後に誰かが決めざるを得ない決断が必要な時のために居るだけ。 

最近の日本の企業ではイノベーションはまったく起きない。
イノベーション部なんて作ったってイノベーションは起きない。
一橋大学MBAで教えている連中だって、経営したことのある奴は一人も居ない。MIT、ハーバードで経営学を学んで学位を取ってきただけの奴らに何が分かるか!!

今若い者たちに教えるべきことは、新しいことをどうやるか!今の経営者は、挑戦していない。リスクをとらないから駄目だ。

ホンダは1948年浜松で創業。浜松には「やらまいか」というチャレンジ文化があった。中卒の宗一郎はやんちゃな優秀でもないアホばかりの社員しかいないのに、「世界一になるぞ!」と叫んでいた。
当時、優秀な学生はヤマハとかに行ってホンダには来なかった。

私は1971年に本田技術研究所に入社した。
優秀そうな奴が白衣で静かに研究している所かと思ったが、汚い格好で、部品持って走り回っていた。アホばかりで、金なし、設備なしのひどい会社だった。
それがリーマンの前には売上12兆円までになった。なぜか?理念・哲学があったからだ。

「理念・哲学なき行動(技術)は凶器であり、行動(技術)なき理念は無価値である(本田宗一郎)」

年配のそれなりの仕事をしてきた人は、哲学を持っているつもりだろうけど、それは本当に自分自身のものか?高質な原体験をしていないと、哲学は身につかない。高質な原体験を意識してするためには、「一流の、モノを見ろ!人と話をしろ!モノを食え!」。

一流のモノを見るために、能を見に行った。まるで分からなくて居眠りしちゃったが…。能楽堂に能を見に行くと、そこにいる人種は普通の人たちとはまるで違う。京都で1,000年以上続く一流に触れる。二流の人と付き合ってはいけない。普段は回転寿司でも、一年に一回ぐらい銀座の久兵衛や次郎で食べてみる。ひとり4~5万かかるが…。何でそんな高いのか?価値があるから。
企業は価値を生み出すのが仕事。価値を理解するため一流のものを知らなくてはならない。親父(宗一郎)はよく一流の酒を飲めと言った。一流の銀座高級クラブ。1年に1回久米社長に連れて行かれた。店の看板が無い。マンションの一室みたいなところだった。ママは顔を見た途端、「久米さん、小林さん、いらっしゃいませ。」接待役の人の名前は呼ばない。店に入ると、ママは接待役とは話さない。誰がお客かをわきまえている。1年前に来たときの話題を覚えていて、その話題を出してくれる。40分でコーラ2杯飲んで一人10万円。3人で30万円。別の普通のクラブへ行った。「いらっしゃい」と名前を呼ぶのは金を払う接待役。ソニーのウォークマンは、井深大が飛行機の中で良い音で音楽を聴きたいという言葉から始まった。録音機能を外して、HI- FI部品を組み込んで開発した。全役員が反対したが、盛田さんが、やってみろと決断して発売。
これでソニーの売上は20倍になった。ジョブズのi-podはそれをIT化しただけ。
ウォークマンの開発のほうが凄い。
 ホンダのエアバッグも久米社長以外全員反対した。誰も欲しないと言われたが、今ではすべての車に装備されている。交通事故での死亡率が半分以下になった。「たまごっち」もバンダイの役員が全員反対した。世界中で売れて300億円儲かった。ところが工場に大投資した途端売れなくなって、300億円損をした。上役が反対したものの方が当るとデカイ!役員などエキスパートはほとんど馬鹿だ。
「今起きていることは若い人にしか分からない。年寄りは、過去の経験・知識が邪魔をして正面から受け取れない(宗一郎)」10人中9人が賛成したら遅すぎる!
役員大反対の中でどうしたら若者の意見を通す事ができるのか?熱意か、駄目駄目!!
社長や役員を前にして、ガンと机を叩くしかない。机を叩いて、左遷されるような会社ではイノベーションは起きない。ホンダの技術研究所は最初40歳定年だった。その後は工場や本社でイノベーション・マネジメントをやるのが仕事になる。

ガリガリ記憶ばかりして優秀な大学を出た奴にはイノベーションはできない。勉強せずに東大に入れた奴なら話は別だが。そういう記憶だけ得意の優秀大学出の奴が昇進して、現場に来て下を見下すような会社は、下の連中がやる気が無くなる。

勝間和代なんて、どんなイノベーションができたのか?何もないくせに、イノベーションはこうするとか何とか言っている。バカヤロー!

「イノベーションの本質」なんて本は絶対買うな!優秀な大学の「イノベーション講座」や「ベンチャー○○」なんてたくさんあるが、そこからイノベーションが生まれた話は聞いたことはない。今まで凄いイノベーションの出来る人だと思ったのは2人だけ。NTTi-modeの開発した榎さん。花王の社長やった常盤さんだけ。

Innovation Management 革新・創造マネジメント。
仕事には2つのタイプがある。(2 types of Business)

①Operation 執行 (~95%):時間と成果は比例する。

②Innovation革新・創造(5%): 

成果主義を入れている企業は駄目。上役と部下が目標を決めて、それができたかどうかでボーナスが決まるなんて駄目。オペレーションには入れてもいいが、研究所や開発には成果主義は馴染まない。
経費削減なんて考えるのは課長以下。社長や役員が経費削減の旗を振っていては駄目。それで削減した金額を、みんなで飲んで元気になったほうが会社は良くなる。
Operationで困ったらじいさんに聞け!Operationは論理的に正解を追及する。経営学が役立つ。エキスパートが熟知、判断が可能。
改善の先に革新は無い。イノベーションは改善とはまるで違うもの。経営学は害になる。イノベーションは論理からは生まれない。アートに似ている。40歳以上のエキスパートにはもう分からない。40歳未満には経験が無いが1~2割のダイヤがある。でも8~9割はクズ。
その1~2割が出てきたときに、年寄りは駄目な理由をすぐに100ぐらい挙げて潰してしまう。でもその駄目な理由を反対に何とかできないかと若い奴に投げ返す。若い奴はそれがどれだけ大変か分からないので一生懸命やる。そしてもしそれがクリアできると凄いイノベーションになる。
年寄りになったら普通はリスクをとらない。イノベーションができるのはリスクを取れる人だけ。年寄りになってもできるのは、本田宗一郎、ユニクロの柳井、スティーブ・ジョブズぐらいで、本当にヘンな奴ばかり。
ホンダに私が入ったとき、社員の平均年齢は29.8歳。今の日本の企業は平凡なリーダー、優秀大学の社員、年寄りだらけで、イノベーションは絶対に起きない。ホンダで使えた初代、二代、三代目までの社長は凄かった。その後の4代、5代、6代目の社長は超優秀な大学卒で凄い頭の良いアホだった。
ルールの多い会社は駄目。ルールは1%の悪い奴のために作られる。そんなの必要ない。役員がヒマだと、1%の悪い奴のことを気にして、無駄なルールを作る。
老いては子に従え!「若さとは年齢ではなく…」の詩を喜んで読むようなのはみんな年寄り。年寄りはイノベーションできないという自覚が必要。
40歳を超えた、分別のある人は、自分でイノベーションをやろうとせずに、若い人に本質を問う。そして①答え型②目を見て 判断する。内容では判断しない。内容なんでどうせ理解できない。型とは?本質、コンセプト。型が良いとイノベーションは高成功率になる。若い奴にHowは聞くな!Whatとwhyを聞け!ユニクロの柳井社長は東レとヒートテックで大成功したが、その前に失敗ばかりしている。書いた本が「1勝9敗」。大体成功は1割で合っている。
イノベーションとは世の中を変えたかどうか?ウォークマン、エアバッグは変えた。
I-pod、i-phone、i-padも変えた。ジョブズは10年で3つも世の中を変えるものを生み出した。

黒田 久一

黒田 久一

惣菜のわかるオヤジのブログでは、フルックスグループ代表の黒田久一が、日々の出来事を発信いたします。