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「ホンダ・イノベーション魂~本質的熟慮のススメ」小林三郎②

2014.09.11

「ホンダ・イノベーション魂~本質的熟慮のススメ」小林三郎②

「研究所は技術の研究をするところではない。人間の研究をするところだ(宗一郎)」。

企業の本質である新価値創りを考えていない。新価値創りが目的で、技術は手段に過ぎない。最近は「技術戦略」などと言う企業が多いが、技術に戦略は無い。価値を生み出すこと。必要なのは価値戦略、技術は戦術、商品は計画。
企業の存在意義は、『新しい価値を生み出して、世の中の人々に喜んでもらうこと』

人々が求める10~20年先の主要な時代価値を3つ言ってくださいと聞くと、言えた人に会ったことが無い。言うのはせいぜい、高齢者対応、エネルギー、リサイクルぐらい。
10年ぐらい前にホンダ社内のワイガヤで「高齢者対応の価値コンセプト」を議論させたら、
①流石、
②メリハリ、
③絆
の3つになった。
年寄りは流石と言われると喜ぶ。
年寄りには賞状を出す。
紙一枚で喜ぶ。消費は本当に節約する部分と、自分の大切な趣味嗜好には高額品を平気で買う部分がある。絆は家族、友達。
企業の本質目的を考えなくては、正しい方向性は生まれない。
日本で一番ホンダの車を売っている販売会社「神奈川ホンダ」は何をやっているか。
毎朝会社の左右2kmの掃除を一生懸命やっている。それを見て、地域住民はホンダを買ってくれる。そういう行為に価値を感じてくれるから。「誠実」とかも高齢者の価値コンセプトであり、まだまだあるはずだ。

価値の次元で考えないと駄目。技術の次元では駄目。
価値マップを作れ。重要な価値コンセプトを最低10個以上上げろ。日本企業で価値マップを作っている企業はほとんど無い。

男女、老若、今昔、公私、日本と世界、都会と田舎などの切り口でマップを作る。そのマップにポイントされた事柄を時間で追ってゆくと流れが見えてくる
「ホンダらしさは何だ?」「世界一か?」といつも宗一郎は聞いた。ホンダは車を上手に作ったから成功したわけではない。価値を求め続けたからだ。ソニーにイノベーションがあったのは井深さんが居たから。井深さんはいつも新商品を開発するとき
「自分なら買うか?」と厳しく問うた。それは「価値があるか」を問いかけていた。

2000年から2005年経営企画部長・室長していたとき、たくさんのIT企業、外資企業が高額システムの売り込みに来た。プレゼンの後いつも同じ質問した。「ホンダにとってこのシステムの価値は何ですか?」20数社誰も答えられなかった。新しい提案なんか何も無かった。ボストンやマッキンゼーはホンダに興味を持って毎年インビューに来た。役員が忙しいと私が相手をしたが、こちらの話はいっぱいメモして言って帰るが、私が学べることはひとつも無かった。堀紘一なんかペラペラ長く喋るが中身が何も無かった。私はトヨタの連中とも話して、彼らも同じ評価していると知った。トヨタの連中はただ外で言わないだけ。

宗一郎に言われたこと。部品やシステムを売り込みに来たら、信用できるかどうか二つを問いかけろと。「問題点を理解していること、それを今後どう改善していくかのプランを持っているか」絶対に完全は無いのだから。
ホンダのアシモはモノにならない。
AIが駄目。次はロボットなど言う人がたくさん居るが、それはサイエンス。サイエンスは100年後役に立つこと。500年後のために真理の探究がサイエンティストの仕事。企業がやるのはテクノロジー。テクノロジーはmake the money。電気自動車は電池が駄目。電気自動車をやっているメーカーはすべてハイブリッドに乗り遅れたところばかり。
常に社員に3つを問いかけろ!
①あなたの人生の目的は?
②あなたの会社(組織)の存在理由は?
価値を生み出すこと。世のため、人のため。利益やコストなんていう会社は長くは持たない。利益を度外視はしていない。常に利益は二番目。一番は世のため、人のために価値を生み出すこと。利益を目的にすると、お客を騙すことをするようになる。

③愛とは何か?
宗一郎は「愛の無い奴にマネジメントはできない」と言った。「ホンダらしさはどこだ?」「世界一か」と聞き続けてことも愛だ。キリスト教のバイブルもいいが、カラオケで愛の歌の詩をよく学んでみろ。良い作詞家の歌には真実がいっぱいある。

エアバッグの助手席用はなかなかうまく開発できなかった。助手席のtop-dashエアバッグの必要性をベンツに話したが、合理的ドイツ人は「子供は後部座席でシートベルトをしているべきで、助手席には必要ない」と言われた。でも日本で子供の乗っている車を観察していると、立っている子供覆い。こういう子供も助けられるエアバッグでなくては駄目だと考えた。
世界一になるのは簡単ではない。でも案外簡単なことで世界一になれる。=どうやったらお客様の喜びを最大にできるか?
 日本は資源の少ない国。世界トップレベルの価値を創造し、外貨を稼げないと、我々の子供・孫たちは幸せになれない。
日本一を目指し、世界一を目指す。
楽天の三木谷も、孫正義もイノベーションは起こしていない。ユニクロの柳井は凄い。
5列目ぐらいで話を聞いていた。育ちはそれほど良くないだろう。決して顔の品格はそれほどよくないが、目が違った。的確な哲学・本質の質問しかしてこなかった。
彼はイノベーションが分かっている。

黒田 久一

黒田 久一

惣菜のわかるオヤジのブログでは、フルックスグループ代表の黒田久一が、日々の出来事を発信いたします。